看護師が注射の技術を磨くうえで、何が必要なのかと悩む人もいます。点滴がうまく入らないこと、採血ができないことはよくある問題で、静脈注射のハードルは高いでしょう。注射は教わって覚えるものではなく、自分で経験して体得するものです。患者の負担を少なくするためにも、できるだけ早く注射の技術を体得するに越したことはありません。最も近道なのが、注射の反復練習です。できるだけ短い期間で何百回、何千回という単位で違う人に注射すると、技術を効率的に磨けます。
最初のうちは理論的に考えて、どこにどの程度の深さで挿入すると注射針が血管に入るかを想定するのが大切です。イメージに合った形で血管に入ったときは正しかったと納得し、もし入らなかったなら、どちらに修正したら入ったかを覚える努力をしていきましょう。全ての経験を完全に記憶できなかったとしても、問題はありません。短い期間で何回も挑戦していると、直前に失敗したケースと同じような腕だと思ったときにうまく血管に挿入できます。
成功経験は自然に記憶に留まる傾向があるので、何度も試行錯誤しているうちに血管に入る正しいイメージができあがるでしょう。このような経験を積むことで、注射が直感的に血管に入るようになります。1日に数回しか注射する経験ができないと、なかなか技術は身につきません。たとえば忙しい現場の採血センターで勤務経験を積むことも効率的で、注射を体得するために勤務を希望するのも手です。